国辱級問題発言

「E655皇族専用」事件

まずはこの記事をご覧頂こう。


これはエンタマックスに掲載された記事である。
結論から先に言えば、この記事も偽装といえる。
その事をこれから検証しよう。

この記事の後半にこうある。
「「E655」というオールグリーン車の皇族の方しか乗れないという電車」
既に鉄オタの皆さんなら説明の必要なくお気づきですね。
これは完全に間違っています。

従来からあった皇室用客車は既に40〜70年の車暦で、整備しているとはいえかなりの老朽化が進んでいる。
そこでJR東日本はこの置き換えの車両を製造する事となった。
しかし、今上天皇が特別扱いを嫌うこともあってか、数年に一回しか使わない車両を新造するというのはもったいないという宮内庁サイドの思惑もあったかもしれない。
実際、2008年11月に皇皇后両陛下がスペイン国国王陛下および王妃陛下ご案内のため、つくば市を訪れた際も、帰りはつくばエクスプレスの通勤車両で東京に戻るなど、皇室が庶民性をアピールしている印象を受ける。
そういった皇室のあり方の中で登場したのがE655系なのだ。
この最大の特徴は、従来天皇・皇族と随伴員専用であった「皇室用客車」を、E655系は普段はジョイフルトレインとして一般の団体旅行などに使うという事である。
天皇や国賓などが利用する場合、「特別車」を連結する事により「お召し列車」として運用する物であって、E655自体は木村が言う皇族専用ではない。

E655系を皇室用客車と勘違いしたとしても問題がある。
それは木村は「皇室用客車」ではなく、「皇族専用」と言った事である。
そもそも「皇族」とはなんだろうか?
「皇族」の定義は皇室典範によって次のように定められている。

第五条  皇后、太皇太后、皇太后、親王、親王妃、内親王、王、王妃及び女王を皇族とする。

しかし、よく見てみよう、ここに「天皇」は含まれていない。
天皇は天皇であって、皇族ではないのだ。
こちらの毎日新聞の記事にわかりやすく書かれているが、皇族は天皇の親族のことである。
つまり、鉄道アイドル木村裕子が言っている「皇族専用」なら、天皇陛下はご乗車になれないのだ。
このように「皇族専用」発言もまた、全くの誤りなのだ。
もはや国辱物の問題発言である。
こういった皇室問題を誤ると、具体的には書かないが、""色々と厄介な人々""が出てくる事だって考えられる。

さらにオールグリーン車というのも誤っている。
たしかにE655系はオールグリーン車ではあるが、天皇、皇后並びに国賓等が乗車するのは特別車である。
通常、グリーン車には「ロ」の車両形式が入る事は鉄オタの皆さんならご存知だろう。
しかし、この特別車は「E655-1」という形式であり、「ロ」ではない。
ちなみに特別車以外の車両は「クロE654-101」など通常の形式が付与されている。
つまり天皇、皇后並びに国賓等がご乗車される「特別車」はグリーン車などと言うカテゴリーを越えた特別仕様車であり、それは「特別車」という意外、分類は無いのだ。
「E655」を「E655系」という系列として言ったのなら、「皇族専用」は誤りだし、「E655"系"とは言っていない、E655と言った」と言うのなにオールグリーン車は誤り、つまりどこからどう解釈しても誤りなのだ。
誤報の金太郎飴スペシャルだ。

たしかにこんな話、一般の人なら全く知らないだろう。
しかし、この記事の冒頭にはこう書かれている。
「彼女は毎月必ず、「時刻表」や「鉄道ファン」、「鉄道ジャーナル」を欠かさず読んでいる勉強家」
その「鉄道ファン」や「鉄道ジャーナル」では既に何度もE655の特集が組まれている。

鉄道ファン
2007年9月号掲載号 新車速報
http://railf.jp/magazine/2007/557.html
2007年10月号 新車速報
http://railf.jp/magazine/2007/558.html
2007年10月号 折込
http://railf.jp/magazine/2007/558.html
2007年11月号 新車ガイド
http://railf.jp/magazine/2007/559.html
2007年11月号 形式図
http://railf.jp/magazine/2007/559.html

鉄道ジャーナル
2007年11月号 No.493 p64〜p69

E655系が従来の皇室用客車から、通常はハイグレード車として一般でも利用するというのは、歴史的にも大変な転機であり、E655最大の特徴である。
言うまでも無く、このことはどの鉄道雑誌にも必ず書かれていることだ。
そんなことをどうして勉強家の鉄道アイドル木村裕子は全く知らずに、デタラメ三昧の記事を掲載したのだろうか?
本当は全く鉄道雑誌など読んでおらず、勉強もしていないのに、捏造記事を掲載したのか、よほど頭が悪いのか、二つに一つしかない。

ちなみに私は鉄オタだが皇室用車両にも、そもそも電車にも触手が動かない。
触手が動くのは機関車である。
何も宮内庁の資料や、JRの内部資料を見たわけでもない。
「鉄道ファン」や「鉄道ジャーナル」などの鉄道雑誌を読み流した程度なのと、wikiなどで調べた程度の知識だ。
全く勉強もしていなければ興味も無い。
しかしこの程度のことは書けるのだ。
そう考えると、いかに鉄道アイドル木村裕子の「勉強家」という記載が、偽造、捏造であるか、お判りになるだろう。
偽装記事で煽ればファンがつくとでも思ったのだろうか、ナメタ話である。

百歩譲って、記事は脚色をつけて書いたとしよう。
しかし、鉄道アイドルを自称し、鉄道に詳しいとアピールするのなら、掲載前に裏づけくらい取ったらどうだろうか。
生放送でうかつに言ってしまったというのならいざ知らず、雑誌であればそれなりに時間があるはずだ。
極端に、このインタビューをしたその日が入稿締め切りであったとしても、wikiで調べるくらいは十分に出来る。
さらに譲歩して、wikiは信用できないとしても、出典元の「鉄道ファン」の号数までwikiに書いているのだから図書館に走るとか、JR東日本に確認するとか、いくらでも対応は取れたはずだ。
そんなことを全くせず、デタラメ三昧を言い放ち、調べもせず誤報を垂れ流すなど、マスメディアに出演する資格など無いといえよう。
こういったいい加減な対応にも批判が集中しているのである。
そして、これほどまでにデタラメ記事を掲載した挙句、「勉強家だ」と締めくくられても、お寒い限りである。
こんな偽装記事で人気を煽って、鉄オタは騙されて人気が集まるとでも思ったのだろうか?
結果はかえって反感が増えただけである。

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