ファンをも平気で裏切る
鉄道アイドル木村裕子

このページを読まれている方なら、おそらく鉄道アイドル木村裕子はビートたけしの事務所でもあるオフィス北野に所属している事はご存知のことと思う。
一応はテレビにも出演しているタレントだから事務所に入っていることが悪いとは言わない。
だが、木村裕子が事務所入りする経緯はファンへの裏切りだったのだ。

まず、鉄道アイドル木村裕子の歴史を簡単に振り返ろう。
木村は十代の頃よりネットアイドルとして活動し、当時あった「スピカ」というアイドル雑誌にも取り上げられた事がある。
その後大阪の事務所に所属するが、地下アイドル的な存在に過ぎなかった。
東京に上京し、時東あみの事務所である「シャイニングウィル」に所属する。
一応はメガネっ子アイドル時東あみを輩出した事務所と言うこともあり、それなりに実績がある事務所だが、その中で木村の存在が日の目を浴びる事は無かった。
そんな木村はシャイニングウィルも辞めるに至る。
木村は鉄道好きのアイドルで売り出して欲しかったが事務所は認めてくれなかったため、辞めたといっている。
そして木村は事務所を辞めた後、フリーで活動を始める。

問題はこの後の言動だ。
木村はブログでしばしば「ファンとの距離を大切にしたい」と宣言、「色々な大手事務所から所属の誘いを受けているが断っている」とあたかもファンを大切にし、そして第一に考えているかをアピールしていたのだ。
そして「フリーでやって一年で芽が出なければ辞める」とまで公言していたのだ。
それから数ヶ月、木村はあっさりとオフィス北野入りしてしまう。
「ファンとの距離を大切にしたい」と事務所入りしないと宣言までしていたのだから、これは「ファンとの距離なんてどうでもよくなった」ということになってしまう。
いままでの公言はどこへやら、少し仕事が増えてきたら、ファンすらバッサリ切り捨ててしまったのが鉄道アイドル木村裕子なのだ。
そう、木村が「裏切り者」のレッテルを貼られ、しばし「2ちゃんねる」のタイトルにも「裏切り」と入れられる原因はこれなのだ。

以下、私の憶測を交えての話だと断っておく。
アイドルを目指す子は誰でも考えるだろうが、事務所入りが芸能界入りの第一歩、事務所に入れば事務所が仕事を取ってきてくれると思うだろう。
たしかにそれは間違えでは無いが、事務所の力にも大小があるし、これだけ過当競争になっている現在では事務所に入っただけではそうそう仕事は来ない。
また、「事務所に入っている」と言っても、実は二つの形態が有る。
それは「所属」と「預かり」だ。
所属とはその事務所とマネージメインと契約を結び、仕事の一切を任せる。
活動が制限され、権利も持っていかれるが、一方で事務所は経費をかけて売り込みをする。
いわゆる「所属」がこれである。
しかし、「預かり」というのは一応そこの事務所に所属しているようにはなっているが、事務所は積極的に売り出しをしない=金を使わない。
仕事が入ってきたら振る、それだけである。
その一方でマネージメント料を何割か取られる。
声優事務所はその辺が明確で、「所属」「預かり」と明示しているとこがあるほどだが、アイドル事務所はその境が不明確ではあるが、実態は殆どが預かりである。
つまり、事務所は殆ど何もしてくれないのにギャラの何割か持って行かれてしまうのが預かりだ。

おそらくシャイニングウィルも実態的には預かりではなかったのかと思う。
そこで木村の浅はかな考えが発動してしまったのではないだろうか?
「だったらギャラが丸々入ってくるフリーの方がトクじゃないのか?」
おそらく木村はこういった安易な発想でフリー宣言したのではないかと思う。
しかしよくよく考えれば分かる事だが、ある程度実績があって独立したというのならまだしも、木村がフリー宣言した段階では多少話題があったと言う程度で、芸能界での実績など皆無に等しい。
言うなれば二十代半ばの素人のねーちゃんに過ぎないのである。
wikipediaの芸暦を見ると随分多数の経歴があるようだが、殆どはただの取材やちょい記事、普通のタレントなら経歴に表示させないような物が殆どだ。
そんな海の物とも山のものとも分からない人間を誰が採用するだろうか?
CSや雑誌など小さな会社で小さな仕事なら成立するが、大手マスメディアでは信用の問題で採用できない。
木村はこの壁にぶち当たったのではないだろうか?
ちょうど木村が事務所入りした前後には関西テレビの番組とDVDの話しがあった頃だ。
おそらく関西テレビとしては、管理や権利問題がありフリーの木村裕子とは取引できないという結論に達し、オフィス北野が紹介されたのではないかと予想する。
木村とすれば、目の前に関西テレビの仕事と言うニンジンをぶら下げられた状態。
そのニンジンにあっさりと飛びついたのではないか?

以上はあくまで推測である。
経緯はさて置き、「ファンとの距離を大切にしたいので事務所入りしない」宣言はあっさり破られて、ファンが見捨てられたことだけは事実だ。
色々とその後も事務所入りについて御託を並べているが裏切ったという事実は何をどうしようと正当化できない。

なぜこんなことが起きるのか?
そもそも木村が浅はか過ぎるのだ。
フリーで活動すると、確実に信用問題が発生する。
ある程度実績があったタレントが独立するというのならいざ知らず、なんの実績も無い殆ど素人に仕事を振ってすっぽかされたら大変だ。
番組収録当日、来なかったでは数十万円〜数百万円の損害だし、他のタレントにも多大な迷惑が及ぶ。
そういった担保にも事務所は重要な役割を担っているのだから、事務所入りしていないとそうそう仕事は取れないのだ。
先に話した「預かり」もそのためで、事務所に名前を出してもらうだけで担保となり仕事が入りやすいというメリットがあるので、ギャラを中抜きされても預かりにしてもらうのだ。
木村はこういった業界のルールを何一つ知らず、フリー宣言したがために、ある程度のライン以上仕事が出来なくなってしまい、結果的にファンを裏切ってでも事務所入りしたのだろう。
それはつまり、ファンの事を大切にするより、自分の地位と名誉と、そしてカネを優先したという事だ。
それも悪いとは言わないが、ファンを裏切った事は拭い去れない事実でしかない。

だが、木村に大きな誤算がまたも生じているのではないか?
おそらく木村は事務所に入れば、ましてビートたけしの事務所という大手に入れば仕事がガッポガッポ入ってくるし思ったのではないか?
しかし結果は逆で激減しているのだ。
当初ほどの話題性が無くなったのもあるかもしれないが、鉄道関係のイベントや番組など殆どお呼びがかからなくなっている。
冷静に考えてみよう、事務所に入るという事はいままでのギャラに事務所の取り分が上乗せされるという意味である。
つまり、ギャラが高騰するのだ。
さらにフリーなら一人で行動できても、事務所に入るとマネージャーがセットでついてくるから、交通費や食費(業界用語で「アゴアシ」と呼ぶ)、宿泊費などあらゆる経費が二倍になる。
そうすると発注側とすると気軽に呼ぶことが出来なくなるのだ。
例えばいままでギャラが5万円、交通費が1万円で済んでいたとしても、事務所に入る事でギャラは12万円、交通費は2万円と倍以上に高騰する。
しかし、発注側としてはそこまで払ってまで木村裕子を呼ぶ必要があるのかという問題に直面するのだ。
結果はご覧の通り、むしろ事務所入りすることで仕事は減ってしまったのだ。
もちろんそこまで費用をかけてでも呼ぶ価値があるのならいいが、コメントもデタラメだらけ、価値すらも疑問である。

おそらく、事務所はこれといった売込みをかけていないと感じる。
そもそも鉄道属性が無いお笑い事務所が、こんなマニアの世界で売り込みをかけるにしても限界があるだろう。
鉄道イベントに売り込むといってもいどこで開催されるかといった情報収集すらままならないのではないかと思うし、タレントへの教育や演出すらも出来ないだろう。
それでも引取ったのは、木村は所属ではなく預かりではないのかと感じる。
仮に所属としても、実態は預かりに近いだろう。
そう言える理由の一つが木村がオフィス北野入りした当初のコメントである。
木村はブログで、「やりたい事をやらしてくれる、自由にさせてくれるからオフィス北野に入った」と言っている。
しかし、これはおかしい。
事務所は本来、活動や権限を一元管理することで、収益を上げる。
そうしなくては経費をかけて売り込んだのに、勝手に他と仕事をされては何のメリットも無い。
事務所の仕事と言うのは出演依頼を取ってくるだけではなく、番組のプロデューサーや雑誌の編集長なども接待も仕事の内だ。
そういった経費も、入ってきたタレントのギャラから事務所費として抜いているわけだ。
だが勝手に他と仕事をされてはそれが入ってこない。
ガンガン経費を使って売り込んでいる矢先から他と勝手に仕事をされては何のメリットも無いので、普通は事務所が全て一元管理するのだ。
しかし木村のプログによるとそうではなく、自由に出来るらしい。
と、すると事務所としては経費をかけて売り込んでいない、つまり預かりではないのか?
と、感じるのだ。
事務所とタレントは運命共同体、タレントが売れている時は事務所も潤うが、売れていない時は事務所も苦しい。
木村はそこを分かっていない。
おしいところだけ良い所取りばかりしようとしてもそううまくはいかないし、そういう生き方をしていれば、いざと言うとき、誰も助けてくれないのだ。

そもそも鉄道アイドルなどというのがニッチな市場、本来は演歌歌手のように地道にファンを獲得していかなくてはならない世界だと感じる。
たとえ、ノーギャラでも出向いていって、一人でも多くの人に知ってもらい、共感してもらわなくてはならない世界だと感じる。
だが、自分の野心のためにファンをもバッサリ切り捨てた鉄道アイドル木村裕子。
だれが木村を助けようと思うのだろうか?

実際に皮肉な状況は起きている。
結婚を期にホリプロとの契約を解除した豊岡真澄の仕事が増えているのだ。
現在豊岡真澄はフリーだが、むしろこういった小さな仕事が多い世界では事務所に入っていないフリーの方が小回りが効く。
皮肉にも木村の仕事が減って豊岡のメディアへの露出が増えるという状況になったのだ。

ところで2ちゃんねるの木村裕子スレでは木村のファン、通称「お財布」に向けて何度も「木村のどこが良いんだ」という質問が出ているが、ほとんどまともな回答は出ていない。
つまり、数少ないファンですら何が良いのか分からないという事を、最後に付け加えておく。
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